1年を通じ、前半と後半で次のようなことを学びます。
【前半】ボートを操れるようになるための、基礎を学びます。ボート・モーターの運搬からはじめ、モーターをボートにセットすること、パドル(櫂)を使ってボートを漕ぐ訓練を行い、その後ようやくモーターを始動しての操縦となります。 モーターを使った訓練はモーターボートの状態や水面状況の把握等を行う慣熟航走からはじまり、単独でターンマークをしっかりと回る基本旋回の演練を中心に、レースの勝敗に直結する大切な技術であるスタートの練習も行っていきます。
【後半】単独での基本旋回の質を高めつつ、いよいよ後半に入ります。後半は、より高度かつ危険度の増す実戦形式の訓練になっていきます。徐々に隻数を増やしたり、隊形やパターンを変化させ難易度を上げていき、最終的には6隻によるレースを行えるようにしていきます。訓練の締めくくりは、修了の日に行われる修了記念競走の場で、成長した姿を父兄、ボートレース関係者にお披露目する感動のシーン。これまでの歴史で6名の女子訓練生が優勝しています。
実際のレースでは、各レーサーはレース前日(前検日)にレース場入りし、使用するボート・モーターを抽選で割り当てられ、自ら整備を行い、性能向上のためのセッティングを施します。整備の訓練は、モーターの仕組みや各パーツの役割等の知識を習得することはもちろん、モーターの分解と組み立ての演練を行い、正確かつ丁寧な作業を心がけるだけでなく、時間制限を設け、実戦に対応できる迅速さを身につけます。後半になるといかにしてモーターの性能を向上させるかを考え整備し、水面を走り、変化を感じ取る力を養います。また、重要なパーツであるプロペラに関する知識、修整方法についても学びます。
学科は、ボートレースに関係する法規や、モーター整備等に必要な内燃機関の知識などを学んでいきます。ボートレースは、モーターボート競走法(法律)に基づき実施することができる公営競技です。ボートレーサーは、この法律のほか、競技に関するルールや罰則規定など知っておかなければならない諸規則がたくさんあり、競技の公正・安全を確保し、お客さまの信頼を失わないようにするために十分に理解する必要があります。さらに、ボートレーサーは国家資格であり、資格検定試験に合格しなければレーサーになることはできません。この試験は、ボートの操縦やモーターの整備の習熟度だけでなく、この法規、内燃機関の理解度を確認し、プロのレーサーとしてデビューするに十分かどうか判断するものです。